ことばのまえ Sou NAKAYAMA

Sou NAKAYAMA

  • 「声と音」

    2012.06.22

    DSCN1942

    宮沢賢治の貝の火を読んでいた

    久しぶりに眠れぬ夜を過ごしている
    街が少しずつ水色になっていき
    開けた窓から雨の音と鳥の声が聴こえる

    明け方の街はとても静かで
    雨の音がいつもより意思を持って
    なにか話しかけてくれているようでどこか贅沢な気分だ

    何て言っているのだろう
    そういえば今日見かけた猫もたくさん何かを
    話しかけてくれていた

    意味を認識できない声が音なのだとしたら
    音は時として言葉よりも慈悲深いときがある